小説バトル[テーマ:ポケモン]【タイトル:日常】

朝、日が昇る前に色んな虫や鳥あまつさえポケモンをも起こしながら颯爽と駆け抜けている一筋の影があった。

 

オレはむしとりしょうねんと呼ばれている。

虫取り網に半袖半ズボンがオレの勝負スタイルだ。

今からオレはトキワの森に向かう

昨日学校にピカチュウを捕まえていた友達がいた。自慢しやがってー。くそー。

絶対オレも捕まえてやる。

そのために昨日の夜、おしえテレビを何度も見返し、朝早くに起きるため夜の八時にはお布団の中に入った。

朝、出て行く前に書置きを残してきたから後で怒られる心配も無い。

森に入ってすぐさま一本目の目印の木に向かう。

実は昨日学校から帰る時に森の中に入って家からくすんできた蜂蜜を木に塗りつけていたのだ。

一本目スカ二本目もスカ三、四本………

五本目に行く最中、遠くに走り去る黄色い影が目をかすめた。

あれは!という気持ちが走り、足と手が地面を蹴り、大きく振りかぶっていた。駆けている最中に邪魔になって手に持って物を放り出して追い続けた。

「よし。追いついた。いけ。キャタピー

息を絶え絶えにしながら腰からボールを取り出し、フォームも崩れながら投げつける。

キャタピー。糸を吐くだ。」

だがキャタピーピカチュウの前に立ち塞がり糸を吐いた。

しかしピカチュウは糸を躱し、逃走行動に移る。

すかさず逃走ルートにボールを投げ、道をふさぐ。

「いけ。ビーダル。体当たりだ。」

攻撃もむなしく茂みの中に姿が隠れてしまった。

「くぅっっそおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

森の中に叫び声が響き渡った。

その後、ピカチュウをずっと駆け回った。だが遭遇はしなかった。

昼になってクラスの友達が森に入ってきたが気にも留めなかった。

トレーナーとバトルして賞金として67円も支払った。

朝は幸運にピカチュウに会えたが夜に帰る時にはボロボロになってお金まで取られた。

おかげでノーマルボールでさえ買えない。

家に帰ったら母親に怒られた。

むしゃくしゃする。寝よ。

小説[テーマ:ポケモン]【タイトル:スロウスタート】


 僕たちは争いが嫌いだ。
痛い思いをするのも、誰かに痛い思いをさせるのも嫌だ。

 僕が望むことは、平和な生活だ。
誰も近寄らない洞窟の奥で、友達とまったり過ごしたい。

僕は【レジギガス】。どの大陸からも離れた場所に島を運び、平和を過ごすもの。

 争いがあった。神のと戦い。圧倒的なそれに対して、レジギガス。ギガスは戦った。恐かった、嫌だった。一人、また一人と倒れていく友達。結局生き残ったのは、ギガスは、最後まで隠れていただけだった。十七人の友達がいなくなって、残ったギガスは、島を引っ張り、倒れたそれが来れない場所に住処を作った。そして孤独の悲しみから、新しい友達を生んだ。
氷山から【レジアイス】、岩石と粘土から【レジロック】、マグマから【レジスチル】大切な、大切なギガスの友達。ギガスの家族だ。

「……ズッ ズ!!」
 ギガスの体は大きい。きょだいポケモンと言われているギガスは、身長は四メートルを超えているし、それに比例して体重も重いため、足音が大きく洞窟に響く。歩いていたギガスを追う影があった。

「……ドン ドン!」
レジロック、ロックがギガスの背中を強く叩いた。体を大きく動かし、意思を伝えようとする。ギガス達レジ系ポケモンは、お互いに声を出さずに会話をすることが可能だが、ロックはせっかちで、じっとすることが出来ない。そのため、身振り手振りも使って伝えようとしてくる。そんなロックを可愛らしいと、ギガスは見ていた。
ああ! 体の岩が一か所壊れてしまっていた。パニックになって、手をあっちにこっちにと忙しなく動かしてしまう。

「……ジャリ ジャリ」
パニックになっていると、肩を優しく叩かれた。叩いたのはレジスチル、スチルは、片手に適当なサイズの岩を持っていた。
スチルは皆のサポート役だ。せっかちで、良くケガをしたり、よくトラブルを起こすロック、怖がりで、直ぐパニックになるギガス、ここにはいないが、何時も寝てばかりのレジアイスのアイス。そんな皆のフォローをしているのが、スチルだった。
スチルの持ってきてくれた岩を、ロックにはめ込む。ロックの頭を軽く叩いて、スチルにありがとうと、二人で伝えた。
スチルは片手を横に降る。恥ずかしいのか、そそくさとアイスの昼寝スポットに向かって行った。

迷路のような洞窟を進んで行くと、天井から光が指す広場が存在していた。太陽の光を反射する川、固い地面を覆う草花達と、神秘さを秘めた場所。レジ達を作り出した場所生命の場。ここには、ギガス達の他に生き物は近づいて来ない。そんな場所で、座って眠っているポケモンがいた。アイスだ。

体を揺すってアイスを起こす。アイスの点字目に光が灯るが、動かない。そうして、ぼーとした時間が終わると、のんびりと立ち上がった。

せっかちなロックが、ボーとしているアイスにちょっかいをかけていた。スチルは、ロックを止めようとしていて、ちょっかいをかけられているアイスは、ぼーとして、ちょっかいをかけられている事に気づいているかも怪しい。そんなレジ達を見ながら、ギガスは笑った。

平和な日常だった。ロック、アイス、スチルの兄弟がいて、それを見守るギガスがいる。そんな日常。しかし、そんな日常は、外界からきた人間によって変わってしまう。

その日は、静かな日だった。
雲一つない空、水辺ではポケモン達が戯れ、洞窟の中では、いたずら好きな者たちがかくれんぼをしている。

 レジ達は洞窟の外に出て、太陽の日を浴びていた。様々なポケモンと勝負をするロック、ロックがケガをした時のために、岩を集めるスチル、アイスは眠っているのか、小さなポケモン達の遊び場になっている。
レジ系達を見守っていたギガスは、海辺が騒がしくなっている事に気づいた。

 その男は伝説ハンターだった。各地の伝説を調べ、神のポケモンを捕まえるために、かつて神と戦ったポケモンを探していた。人が訪れぬ島、巨人が運んだ島と言われるそこを見つけた男は、自分の夢が叶う未来を想像した。

海岸に向かったギガスは、人間を見つけた。手に持った物からポケモンを出した人間は、何かをポケモンに伝える。そして、ポケモン達が辺りを焼き払い出した。ポケモンは鼻を使い、ギガスの方を向いた。

「ウォォォ!」
吠える。ポケモンヘルガー】の目には、獲物を見つけた、とはっきりと浮かんでいた。

「なんだ? 大きなポケモンか?」
距離は遠いようだが、低く下っ腹に響く音が聞こえた。かなりの重量を持っているようで、音が離れていく。思わず笑みが浮かんだ。あの音が、自分の求める者であると男は察したのだ。
「狩を始めようか」

ギガスは、他のレジ系を連れて洞窟に逃げていた。ギガスは見たのだ。ヘルガーの瞳の奥に、獲物をいたぶる愉悦を。
洞窟は天然の迷路だ。しかし、逃げている彼らは、足が遅かった。ギガスは海から逃げることも出来るが、ロック達は海を渡る事が出来ない。そして、ギガスは戦うことを嫌っている。そのため、彼らは身を潜め、人間が帰る事を望んでいた。
「ウォゥ!」
「見つけましたよ! おお……レジギガス! 神話に語られたポケモン!」
見つかった。レジ達に人間は追いついていた。人間の目はどす黒い欲望の色に染まって、ギガスの事を見ていた。とっさに反応したのは、ロックだった。
「ドン! ドン!」
ロックは反転し、ヘルガーを攻撃に向かったのだ。
ヘルガーを力強く殴る。
「な! 邪魔をしないで貰いたい! ヘルガー火炎放射!」
アームハンマーを受けたヘルガーと、突然の攻撃に驚いた人間は、瞬時に施行を切り替え、戦闘を始めた。
ギガスは、ロックに早く逃げるように言葉をかける。危険だと、逃げるんだと、しかし、ロック言うことを聞かない。腕を地面に叩き付け、ストーンエッジを繰り出して応戦していた。
スチルとアイスが、ギガスを奥に行くように押す。ギガスが争う事が苦手であることを、彼らは知っているから、ギガスが出て行っても、攻撃することが無いと分かっていたのだ。
ヘルガー、悪の波動!」
ヘルガーから黒い波動が放たれ、ロックの岩がこぼれた。いや、ヘルガーとの戦闘で、ロックの体表面のあちこちは、脆くなって崩れ始めていた。動きが悪くなっていくロックは、大きく腕を上げ地面に叩きつける。大きく揺れる地面。大きな音と共に、洞窟の様々な場所が崩れいった。それを、洞窟の奥に押されながらギガスは見ている事しかできなかった。

地震ですか……面倒な技を」
レジギガスが逃げていった道は、完全に塞がれてしまっていた。
「……ド、ドン」
ほとんど瀕死に見える、目の前のポケモンに、男はいら立ちを感じた。このポケモンさえいなければ、レジギガスを捕まえることが出来たと。
ヘルガー、痛めつけて」
苛立ちのまま、ヘルガーに与えようとした指示は、轟音と爆風によって遮られた。

ギガスは立ち止まった。強風と、洞窟の揺れが起こったからだ。そして、感じた。ロックが何をしたか。

大爆発。自身の体力を全て使う奥の手を使ったのだと。通常の状態でも、心配になるそれを満身創痍のロックが放った事は、命の危険さえあることだった。戻ろうとするギガスをスチルが抑え、アイスが電磁波を放った。麻痺して動かなくなったギガスを、アイスはスチルに預けた。

スチルがギガスを押して行った事を確認し、アイスは通路を冷凍ビームでふさぎ始めた。
アイスは、これで終わりだとは思っていなかった。地震によって、洞窟の道は埋まり替わったが、抜け道が存在しないとは限らず、、未だに揺れが終わらないからだ

辺り一面が氷の銀世界になった時、壁の一部を破って、さっきの人間とサイドンが現れた。
「ここは……次の相手はあなたですか」
人間は、サイドンから距離をとる。
「まったく。ヘルガーは倒され、手持ちは後一匹しかいないんです。あなたは倒されないでくださいよ」
「サイッド!」
サイドンは、自身の角を回転させながらアイスに突っ込んだ。アイスの出来たいのための冷凍ビームを受けながら、近づきぶつかったそれは、捨て身タックル。避けることをせず、ただ全力でぶつかるそれはサイドンの特性捨て身によって、強化され、アイスを壁まで吹き飛ばす威力を持っていた。
「動きませんか」
冷凍ビームで凍った表面が弾け、洞窟の岩が見えていた。壁に打ち付けられたアイスは、沈黙したた動かない。
「しかし、手を抜きません。もう一度、捨て身タックルです」
沈黙しているアイスに追撃の指示がかかり、サイドンはもう一度突進を始めた。アイスに当たった。そう確信した瞬間、サイドンが吹き飛ばされていた。
「なぜ、なぜだ」
サイドンを吹き飛ばしたのは、アイスだ。それは、分かる。しかし、男は分からなかった。アイスが無傷でいることが。何か、トリックがある。男は、トリックの種を探そうと、辺りを見渡し、サイドンの足が凍っていることに気が付いた。
「まさか、この氷とさっきの冷凍ビームで?
まさか、動かなったのは、眠る? 」
最初の捨て身タックルの時に受けた冷凍ビームと、足物の氷がサイドンの足を凍らせ、捨て身タックルの速度を下げていた。そして、稼いだ時間で眠り、体力を回復させた。
「これは、これは」
野生のポケモンが、フィールドを作り、利用する事など珍しいことだ。そんなポケモンをいたぶりたい、を蹂躙したいと、男は思った。

「地ならしです。」
サイドンは、その大きな体を使い地面に揺らした。揺れと共に、氷が剥がれていく。冷凍ビームを使い即席で張った氷だ。簡単に壊れてしまう。

「スマートホーン」
サイドンの突進が始まる。しかし、それは捨て身タックルの時の様な荒々しさはなく、滑らかに、アイスの回避の動きに合わせて追跡した。アイスも、カウンターで反撃をする。さっきの様に、自分に攻撃が当たる前にカウンターをすることが出来なかったが、サイドンは捨て身タックルで、ダメージを受けており、回復もしたアイスが優先に思えた。
しかし、結果はそこから殴り合いが続くことになる。スマートホーンは、アイスに取って相性が悪い技でサイドンと、アイスはお互いボロボロになるまで殴りあった。

サイドンの角がアイスをえぐり、氷の表面を削っていき、アイスの拳がサイドンを打つ。スマートホーン自体の勢いは、捨て身タックルほどはなく、カウンターでは威力と距離がが離せない。そのため、眠ることが出来ず、、アイスはタイプ相性で体力を削られたいた。 
何度目の交差だろう、サイドンが倒れた。満身創痍のアイスは、これで帰るだろうと人間を見、人間の横のそれを見て、急いで大爆発を放った。

ギガスとスチルは、時折小さく聞こえる音を聞いていた。大きな質量同士がぶつかる音だ。場所は、生命の場。
ギガスにとっての平和の象徴の場所だった。
 
「やっと見つけましたよ。 全く倒しても、こんな物しか残さないとは、あなたを捕まえないと、成算が取れませんよ」
その生命の場を犯すのは、人間だった。人間は、手に持っていた物をギガスに見せつける。それは、【硬い石】と【溶けない氷】だった。ロックと、アイスの格になったそれを、男が持っている意味をギガスは理解したくなかった

スチルがギガスを庇うように前に出る。それに対し、人間が出したポケモンは、ロックと戦ったヘルガーだった。
「私、人間ですのでね。道具を使うのですよ」
ロックにやられたせいだろう、ヘルガーの目は、憎悪の炎を燃やし、こちらを睨みつける。
「そして、人間と道具(ポケモン)がいれば出来る事があります。」
人間の腕から光があふれ、ヘルガーに注がれる。光はヘルガーを包み、光の中から現れたのは、姿の変わったヘルガーだった。それは、メガシンカと言われる人とポケモンの関係が起こす奇跡。その軌跡は、一時的にポケモンを強くする。スチルは、ヘルガー相手に長く戦う事は出来ないと、大爆発を使用とした。体の中に集まったエネルギーが爆発する瞬間、そのエネルギーが消えた。

「全く、あなたたちはワンパターンなんですよ」
人間の横には、ラグラージがいた。人間が、この島に来るために使った移動手段だったのだが、このラグラージの特性は湿り気。大爆発を止める事が出来るポケモンだった。
大爆発が不発になり、次の攻撃に映ろうとしたスチルをヘルガーの炎が焼く。

一撃でボロボロになるスチルを見て、ギガスは思い出していた。レジ達と過ごした平和な日々を。そして、かつて自分が戦わなかった為にいなくなったいった、友達たちを。
彼は、何時も遅いのだ。決断が、そして……暴力が目を覚ました。

レジギガスは、きょじん最後のポケモン。大陸を動かし、争いを好まない心優しきポケモン。しかし、彼は最後の一体として、神を打倒した圧倒的暴力の化身だった。

一瞬だった。石造の様に動かなかったレジギガスが、その巨体からは信じられない速度で動き、その両手で、ラグラージヘルガーをそれぞれ握り潰したのだ。ラグラージは意識を失い、ヘルガーも逃げようと、噛みつき炎を吐き交戦するが、まるで効かない。
スペックが違う。圧倒的強者のはずのヘルガーが、赤ん坊の様に見えた。逃げようと走り出した男の目の前に、ラグラージが投げ飛ばされてきた。

男は、神話が好きだった。強く、圧倒的で、壮大な話、きっと自分もそうなると夢見ていた。夢見てきた。きっと、その神話の力を見ると、自分は興奮すると思った。子供の時の様にはしゃぐだろうと。しかし、現実は違った。神話の暴力は、夢見たものより圧倒的で、ただ、ただ後悔しか残されていない。暴力は男を殺すことは無かった。ありとあらゆる手を使い、何度も何度もポケモンを回復させ逃げようとしたが、見つかりねじ伏せられた。

男は、生き延びることが出来た。レジギガスがレジ達を生み出している間に、逃げる事に成功したのだ。その後男に出来たことは、その暴力を二度と目覚めさせないように、その島に誰も近づかないように働きかける事だった。